あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 練習曲集 

 

ヘラー 30の漸進的練習曲 Op.46 

その昔国内版も出ていたが、すぐに絶版になった。ヘラーの練習曲は数多く、Op.45、46、47は程度も似通っていて、抜粋の曲集もあったりする。 ロマン派の中級練習曲としては出色のものだが、結局中途半端ということなのだろうか、日本の先生方多数の支持は得られないようである。 このOp.46は一曲一曲題名がついていて最も「曲集」的色彩が濃い。なお漸進的は「Progressive」の直訳だが、意味としては、おそらく「中級程度の」 ぐらいの意味なのだろうと思う。

番号 曲名 難易度 評価
 1 陽気な 13  B
 2 かなとこ 12  C
 3 さざなみ 14  B
 4 15  D
 5 12  B
 6 揺れるすみれ 11  A
 7 タランテラ 10  A
 8 勇気の歌 12  B
 9 道化師 13  B
10 紡ぐ人 13  C
11 ささやく木の葉 13  B
12 ちらちら光る水 16  C
13 逃げ回る小人たち 14  C
14 海の歌 15  B
15 野を越えて 14  C
16 陽気にスキップ 13  B
17 甘いモクセイソウ 13  B
18 16  A
19 カヌーに乗って 14  B
20 恐れない 15  A
21 はちどり 15  C
22 女王の踊り 11  B
23 ドラマー 15  A
24 浮かれ騒ぐやつら 15  B
25 ゴンドラをこぐ人の歌 17  A
26 荒々しい波 18  B
27 ベル 14  B
28 海を越えて 15  A
29 ノヴェレッテ 18  C
30 すべての源 17  C

1.練習曲としては、面白い部類に属する。

2.たぶん、今の子どもには曲名が意味不明だろう。曲想も検討がつかないかも。強く打ちつけるようにアクセントを奏するものと思われる。

3.連打を含む音型の練習。表現の練習にもなる。

4.分散和音を含む音型。

5.細かい動きの練習。

6.おしゃれに、上品に。ただ、何と言うか、都会的センスというものとは違う気がする。

7.併用曲集でも見かける。よくできている。

8.メロディーを伴う細かい動き、もしくは保持音の練習。

9.三度の練習。

10.保持音を伴うトリルの練習。

11.手が入り組んでいて、速く弾くとかなり難しなる。

12.この曲から第二部ということで、一段難しくなっている。

14.これはピアニスティックに書かれている。

15.重音の練習かな。練習曲としてはやや中途半端。少し長い。

16.イ短調。長調と短調は目まぐるしく交錯している。

18.ハ短調、一気に弾く。

19.ここから第三部だが特に難しくなるわけでもない。途中esになって、やや読譜が面倒。

20.これはなかなかいい曲。

21.ギロックのものの方がそれらしい。

22.何となく場違いな感もするぐらい、易しいし短い。

23.連打の練習。短いがまとまっている。

24.これも短い。

25.アルペジオの練習。手が入り組むが、美しい。

26.この曲集で一番難しいかも。

27.ユニゾンが多く易しい。

28.割と印象に残るメロディー。

29.題名はシューマンのものと同じ。作風もヘラーはシューマン亜流っぽいところはあるのだが、これは純然たる練習曲に近い。

総合評価     B-

曲集としても練習曲集としても、似たような評価になる。曲集としては面白い曲も散見されるという程度。練習曲集としてはかなり使えるがチェルニーの方が効果はあるだろうな、というところ。ただチェルニーのように右手に偏ってはいない。

おそらくはシューマンの影響を受けている。そのせいかどうか、ときどき妙に複雑な曲がある、練習曲集としては減点になる。

schiermer版では「Op.45への準備」となっているが、ヘラー自らの言葉かどうかは怪しい。平均すればOp.45の方が難しいが、 難易度はそれほど変わらないからだ。

ロマン派の中級練習曲というのは、あまりない。ソナタに入ったぐらいの生徒に与えると、ロマン派の演奏の準備になるかもしれない。

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