あるピアニストの一生

ピアノ教材研究 練習曲集 

 

ツェルニー100番練習曲 Op.139  各社

純然たる練習曲を始めて取り上げることになります。しかし評価はあくまで楽曲としての評価となります。練習曲として 価値のあるものは、そのむね別に記す(☆印)ことにします。使用する楽譜は1957年のもの。まあ、こういうのは変わってないと 思います。

番号 主な練習目的 難易度 評価
 1  4  C
 2  4  D
 3 5本の指  4  C
 4 和音  4  D
 5  4  B
 6 保持音  5  C
 7 6度  5  B☆
 8  6  B
 9 左のトレモロ  6  D☆
10 和音  6  C☆
11 手首のスタカート  6  C☆
12 短前打音  6  B
13 5本の指  5  C
14 混合リズム  5  C
15 混合リズム  7  C
16 6度・3度  6  C
17 アルベルティ・バス  6  C
18 6度・3度  6  C
19 スケール  7  C☆
20 リズム  6  C
21 5本の指  6  C
22 複合リズム  7  B
23 ターン  6  B☆
24  6  B
25  7  B
26 リズム  6  C
27 連打  7  C
28 3度  7  C☆
29 スケール  7  C
30 和音  8  C☆
31  8  B
32 半音階  8  C
33 5本の指  7  C
34 装飾音  8  C☆
35 跳躍  8  C
36 スケール  9  C☆
37 ターン  9  C☆
38 3度  8  C☆
39 ターン  9  C☆
40 短前打音  8  C
41 付点リズム  9  C
42 トリル  8  C
43 保持音 10  C
44 片手2声  9  D
45 左の速い伴奏  9  C
46 アルペジオ 10  C
47  8  B
48 5本の指  7  C
49 Es  7  C
50  A  9  B
51 As  8  B
52  9  C
53 半音階 11  C☆
54 複合リズム 11  C
55 アルペジオ  9  C☆
56 同音同指連打 10  C
57 連打 11  C
58 連打 11  C☆
59  9  B
60 片手2声  8  C
61 5本の指 11  D☆
62 複付点 11  C
63 Des  8  C
64 5本の指  9  C
65 アルベルティ・バス 11  C☆
66 保持音  8  C
67 3度 12  C
68 アルペジオ 12  B
69 複付点  8  B
70 アルペジオ 12  D☆
71 分散和音 11  C
72 跳躍 10  C
73 指換え  9  C☆
74 複合リズム 10  C
75 5本の指 11  C
76 短音階 10  C
77 総合練習 13  D
78 複付点  8  C
79 トリル 12  C
80 和音 10  B
81 5本の指 12  C
82 11  B
83 5本の指 12  C
84 複付点  9  B
85 10  B
86 5本の指 12  C
87 11  C
88 和音の連打 13  C
89 トリル 10  C
90 異名同音 11  B
91 5本の指 11  C
92 異名同音 11  C
93 高速パッセージ 13  C
94 アルベルティ・バス 12  C☆
95 5本の指 12  C
96 連打 11  C
97 左右交互 12  C☆
98 左右の受け渡し 12  B☆
99 交差 12  D
100 5本の指 12  C

○1.3度のレガートが難しいが、それが練習目的というわけでもないだろう。

○5.これはむしろ曲である。

○7.曲としても練習曲としても優れている。

○8.古典派の小品といった趣がある。

○9,10.この段階でこういうテクニックの習得が必要かどうかについては異論があるだろう。

○11.速く弾くことは無理だと思われる。

○12.これは曲です。

○14.3連と2連だが、同時ではない分易しい。

○15.14よりは大分難しい。

○19.こういうのは速さによって大分難易度が変わる。

○22.3連と2連を合わせる。交差もある。

○23.ターンの速さは16分音符でいい。

○24.色々な練習が混ざっている。

○25.これは曲。

○26.2音ずつ左右交互に弾く。

○27.スケールの練習でもある。

○28.読譜は楽

○29.アルベルティ・バスの練習でもある。

○30.和音で付点のリズムは難しい。正確に。

○31.総合練習というか、ほとんど曲。B durは譜面面より弾きにくいので注意。

○32.半音階を中心とした右手の総合練習。

○34.トリルは7小節以外上から、16分音符の速さで良い。

○35.アクセントの位置に気をつける。

○36.速さしだいで難易度は大きく変わる。

○37.上に同じ。

○38.16~7小節をつなげたいのなら、16の終わりを1にして、17は42,51の指を使うという手もある。

○39.ターンの色々な用法を学べる。原則32分音符、最後は5連符にしてもいい。

○40.スタカートの練習でもある。

○41.付点は正確に弾けるように。相当うまい人でも出来ない人多し。

○42.両手トリルの箇所でばらばらにならないこと。

○45.混合リズムもある。

○46.速いと難しい。

○47.ツェルニーはどういうわけか、8分の6には「曲」が多い

○49.おそらく変ホ長調ということ自体が練習目的。譜読み以外はやさしい。

○50.これも、イ長調、の練習。

○52.和音の連打の練習でもある。

○53.ここからまた普通の練習曲。これは両手の半音階

○54.4連と3連、これは理屈で合わすのはまず無理。

○55.アルペジオの装飾音。

○56.こういうのは普通の連打をある程度マスターしてからしなければいけない。

○57.カデンツがある。3音の連打。

○58.16分音符の連打。

○59.和音の練習にもなってるのかな。

○60.こういうのはまあチェルニーはいまいち。

○61.テンポ次第。

○62.ここから第2部。複付点と付点の区別をどうつけるのか、教師は前もって伝えておくべき。厳密に正確なものを要求するのか (これはまず無理)、付点は3連と重ねるのか(易しいが、説明をきちんと)。パスするのも一方。

○63.コラール。読譜の練習でしょうな。

○64.ロ長調の練習でもある。

○67.3度半音階、スタカートだからまだ易しい方だが。指使いは色々あるが、まあこの通りでもいい。

○68.3度と和音の練習でもある。

○69.これは易しい。なぜこんな所にあるのかといえば初めてのニ短調だからでしょう。

○70.上級者には移調させてもいい。

○71.70もだが速さによって難易度は大きく異なる。

○72.ペダルを使う。

○73.指換えの練習はあまりないので貴重。まあ、先生が自分でつくりゃいいんですけど。

○74.交差の練習でもある。

○75.速くすると案外不ぞろいになる。

○76.これも速くすると難しくなる。

○77.だらだらと長くした感は否めない。

○78.遅めに弾いて、複付点と付点の区別をきちんと。

○79.最初と最後のトリルは書き方を変えただけで同じ。トリルは32分音符でいい。

○80.これはむしろ曲。

○81.これも曲に近い。

○82.ベートーヴェンのOp.49-1の1楽章を思い出す。

○84.これだけ付点、複付点の練習があるということは、ツェルニーは相当重視していたんだろうなと思う。

○85.歌う練習かな。

○87.異名同音の練習ということなのですかねえ。同じ曲を前半Des、後半Cisで記譜しているだけ。

○88.これも速く弾くと、相当難しい。

○89.これもGesから途中でFisになる。

○90.disからesに。

○91.ロ長調。

○92.asからgisへ。

○93.この単純な装飾法を一段深化させたのがフィールドでそれをさらに革命的に深化させたのがショパンですな。

○95.94もだが、ここらへんのツェルニー100番は難易度は30番と同じ、左右両方の練習になっていて結構使える。

○96.和音の練習でもある。

○97.こういうのは苦手な人と得意な人がはっきり分かれる。

○98.左右の受け渡しが分からないように。

○99.速いと相当難しくなる。

○100.最後を鮮やかに。

総合評価   C+

評価は練習曲集としての総合評価。(今後、練習曲集については、原則として曲集としての総合評価は行いません)

総合的に言えば曲集としても練習曲集としても中途半端、という感が否めない。

練習曲として効率がいいのは、同じ音形を繰り返すことである。しかしそればかりでは曲としての体裁を整えることが難しい。 練習曲とはその意味で本質的に中途半端なものではある。

少なくとも順に100曲この本をしていくなどということは出版点数の極めて少なかった4,50年前はいざ知らず 今では考えられない。

他の本で習得しにくいテクニックだけを重点的に取り出して使うというのがこの本の使い方としてはベストであると 思われる。複合リズム、複付点等。

なお、全調収録されている。そういう訓練をしたい向きは、それだけ取り出して使うことができる。また87~92 までは異名同音、多くの調号に慣れさせるという練習としても使える。

なお、楽曲の評価はその芸術性を感じ取れるかどうかで、専門家の間では比較的一致しやすいが、練習曲の評価はその練習曲によってテクニックが上達する、ということの判断が(もちろん少しは上達するに決まっているのだが)難しい。私の☆マークもせいぜい参考程度に考えていただきたい。

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